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ホームリソース実験のヒントCRISPR-Cas9ノックアウト実験を開始するときに考慮すべき5つの事項

CRISPR-Cas9ノックアウト実験を開始するときに考慮すべき5つの事項

Top 5 things to consider when starting a CRISPR-Cas9 knockout experiment

CRISPR-Cas9ゲノム編集分野の急速な進化により、初めてこの技術を使用する研究者にとって高い壁のように見えるこの技術のフォーマットとアプリケーションが急増しています。どうすれば、研究の課題に適切に取り組んでいると確信できるか、実験の準備のために何をする必要があるか、実験の成功を確実にするにはどうすればよいか。以下は、CRISPR-Cas9を用いた遺伝子ノックアウト実験を計画する際に考慮すべき5つの主要ポイントのクイックリストです。

1. ターゲット

研究対象はどんな遺伝子ですか?ターゲットとする特定の領域はありますか?すべての切断イベントで目的の遺伝子が完全にノックアウトされるわけではないため、遺伝子の異なる領域をターゲットとする複数(34種類)のガイドRNAを使用することをお勧めします。デザイン済みEdit-RガイドRNAに使用されているような機能アルゴリズムを使用して設計されたガイドRNAを使用することは、面倒なデザインステップを回避して成功の可能性を高める1つの方法です。

2. Cas9ヌクレアーゼの選択

Cas9ヌクレアーゼは、ベクターベース(プラスミド、レンチウイルス)とDNAフリー(タンパク質、mRNA)の2つに大別できます。選択に影響するとおもわれる要素は、Cas9発現細胞を濃縮したいか、安定した細胞株を確立したいか、またはベクターDNAのゲノムDNAへの組込みの可能性を避けたいかの3点です。これらの要素については、こちらをご参照ください。

3. ガイドRNA(gRNA)の選択

CRISPR遺伝子編集反応の2つのRNAコンポーネントであるCRISPR RNAcrRNA)とtrans-activating RNAtracrRNA)は、キメラシングルガイドRNAsgRNA)または2つの化学合成オリゴシステムで構成されている場合があります。レンチウイルスsgRNAベクターは、プール化スクリーニングアプリケーション、トランスフェクションが困難な細胞、または細胞集団の濃縮が必要な場合に便利です。化学合成のcrRNA:tracrRNAのハイブリッドは、時間の節約(すぐに使える、ベクタークローニングのステップが不要)という利点、化学修飾パターンを組み込める多様性、および外因性ベクターDNAのゲノムDNAへの組込みリスクのない編集システム(DNA-free)をセットアップする機会をもたらします(文献1)。

最近発売されたキメラシングルガイドRNAの化学合成タイプは、化学合成crRNAtracrRNAのハイブリッドの利点に加え、ノックアウト効率が向上する場合があり、初代細胞、幹細胞、免疫細胞等を利用する研究者にはより利用しやすいと考えられます。

4. 細胞集団を使うか、クローニングが必要か

多くの単一遺伝子ノックアウトアプリケーションでは、クローンを選択するワークフローは、対象となる遺伝子の完全に特徴付けられた機能喪失型変異を持つ同種の細胞集団を確保するためのベストプラクティスと見なされています。ただし、一度に複数の遺伝子をターゲットとするCRISPRスクリーニングを実行する場合では、これは現実的ではないでしょう。そのような場合、どのような表現型アッセイを用いるか考慮し、そしてそのアッセイが混合の細胞集団でノックアウトを検出するのに十分堅牢かどうかを考慮する必要があります。

5. ノックアウトを検出する

遺伝子編集が完了したら、必要な検出アッセイの範囲はどのくらいでしょうか?スクリーニングを目的とする場合では、表現型は成功の指標となります。しかし、ほとんどの目的では、ゲノム編集結果をより決定的に特徴付けるために分子生物学的技術が必要になります。T7EISurveyorなどのDNAミスマッチ検出アッセイは、通常、初回の方法として使用され、CRISPR-Cas9反応が最初の混合細胞集団でindelを引き起こしたことを確認できます。ただし、クローン細胞株内のすべての対立遺伝子のノックアウトを最終的に検証するためには、サンガーシーケンスが必要です。ウエスタンブロット分析により、残存タンパク質レベルを推定できます。Gene Editing Workflow Guideをご参照ください。

References
  1. Kelley, M.L., Ž. Strezoska, et al. Versatility of chemically synthesized guide RNAs for CRISPR-Cas9 genome editing. J. Biotechnol. 233, 74-83 (2016). doi:10.1016/j.jbiotec.2016.06.011

関連リンク

ポスター:Increasing gene editing efficiencies in eukaryotic cell lines by selection of appropriate CRISPR-Cas9 reagents 

ゲノム編集試薬

CRISPR-Cas9ゲノム編集 – アプリケーション(英語)